2012/10/29

London7 -Tate Modern-


続テートモダン。ということでこの美術館にはしょっちゅう顔出している。
同じテートシリーズで人気のテートブリテンも行ったのだけど、写真が撮れなかったので割愛。でもそちらもなかなか良かった。


今回は前回見逃していたフロアを回ってみたのだけどこれがなかなか面白かった。
このオラファーエリアソンのようなコンセプト作品は子供も反応する何かを持っていた。


右のwiiのリモコンのようなスティックを操って物語を紐解いていく作品。
Flashサイトのような面白さがあり、webでできそうだけどあえてスクリーンを使わせることにスケールを上手く持って行っている感じ。見て回る作品が多いだけにこういう操作を伴う作品は新鮮に見える。


この繊細なグラデーション作品に反応しカメラを構える少年。いいね。


土が置いてある。土の山から直線上に土が線を描いていて、遠くを見ると一人の婦人が土を箒で掃いていた。
もっともシンプルで明快なアイデアだと思った作品。というかこんな小さな遊び心で美術館に飾られるってすごいなと思った。


一番の感動。
オスカー・フィッシンガーが見れた。
これまたブルース・ナウマンのように予期せぬ形で初対面。これがロンドンの良い所。
ニコニコ動画でしか見たこと無かった彼の作品をじっくり三画面で観る事ができた。
単純な図形、デジタル処理の無い制限の中で撮る方法。勉強になります。

やはりこんなものが無料で何度も足を運んで観れるのはイイなぁ。
まだまだ行っていないけど気になるギャラリーも多い。少しメジャーなところにばかり気をとられすぎたかな。残り半分を切ったのでペース上げてこう。

2012/10/28

London6 - Design Junction -


ロンドンに来て一週間後くらいだったか、Design Junctionというイベントに行っていた。こちらに来ていきなりデザイン関係のイベントが観れるということでかなりテンションが高めで行ったのだけど、英語力乏しくなかなか上手く話が聞けなかったのが悔しかった。
イベントの中で気になったものをいくつか紹介。一番最初の写真は気を曲げる技術をお披露目。これは日本のDesigners weekでも観れそうなパフォーマンスだったけど。無言のプレゼンと観客の反応が良かったのが面白かった。


日本語表記のあるお店。備長炭を扱ってるからかな。
この時はへぇ〜って思ったけど、他の文房具屋に売っている水筒にもフィルター付きなど変わった仕組みのものもあって、こちらの方々はどうやら水道水を綺麗に美味しく飲もうとしているみたい。




このメーカーはBluetoothを使ったスピーカーで知っていた。
今はこの受話器に力を入れているらしい。これもBluetooth仕様だったかな。
あえてアナログに戻すのですね。ポップで面白い。パッケージも凝ってた。



タイヤで作られたゴリラとタイヤの椅子。。。
ただのタイヤに何かを加えて半ば強引にプロダクトに持っていっている。



こういうイベントではプロダクトデザインが主流でグラフィックは珍しい。だけどそこはイギリス。グラフィックデザインがきちんと出展されていた。
PHAIDONというオシャレ出版社が監修しているグラフィックデザイン史に残る作品をまとめた資料集の展示。
日本の佐藤晃一さんの作品目立っていた。


谷中のtokyobikeも出展してた。ブースの中でも結構良いポジション獲得してたけど、ちょっとシンプル過ぎて近寄りがたかったかな。



 今回のイベントの中で一番ヒットした人。
これは学校だったか団体だったか、それのプログラムで出展していたグループ展みたいなものの一つで、4、5人が同じブースにまとめて出していた。
出展していたのは革を焦がしてドローイングを施した鞄。
作品自体はそこそこの興味しか持てなかったけど、作品の魅せ方にすごいセンスを感じた。物だけを美しく撮るのではなく物を演出する写真の撮り方、絵本のようなストーリーのある説明書、こういった「物」を作る人は物以外の様々なプレゼン要素はベーシックになりがちだが、ここにこだわれる人は別格だと思わされる。そしてそういった方々はベーシックな成功ではなくアメイジングな成功をする。彼が今どのくらいの人に認知されているかわからなかったが、今後もこのセルフプロデュースでやっていける人なんだろうなと感じた。
ぜひとも話したかったんだけど残念ながらブースにはいなかった。

他にも沢山あったけど、日本のデザインイベントとあまり変わらない感じ。
でもコマーシャルだったな、って思わされるだけでなく、こうやってストレートに腑に落ちる人が一人でもいるのは行って良かったと感じさせられる。

William Klein + Daido Moriyama





http://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/exhibition/william-klein-daido-moriyama

先日書いたウィリアム・クラインさんと森山大道さんの展示を見てきた。
これはそのとき流れていた二人のインタビュー。クラインさんは英語のみだけど、とてもいいので参考までにどんな人か観てみると掴めると思う。

で、感想は既知のものも多かったが、展示方法も作品もクールで、説明の量も程良い大変好みの展示であったということ。
写真と映像が展示されていて、ハイキーな白黒写真、メディアの探求などお互いの作風が近い所、それを印刷のクオリティーを後回しにした豪快なビックプリントでインパクトのある展示に仕上げていた所が面白かった。ここで言うクオリティーとは技術的な質を意味していて、それを探求するあまりに結果的にインプレッションが下がってしまうことを示唆されたような感じ。
それはイギリスの働き方にも感じている。

そろそろ自分はセオリーを無視しても良いのではないかと思っている。

2012/10/21

London5


イギリスはビザ無しでも6ヶ月間まで滞在できる。
でも実際観光で6ヶ月も滞在するわけではないので長期滞在するにはそれなりの理由が必要になる。そこで自分は語学学校に通うことを条件に学生ビジタービザなるものを持ってきている。
これがあることで、今まさに外国人を追い払っている最中のイギリスにもノービザで長期滞在することができる。

で、その語学学校。
やはりドイツの時とは違い、oneやtwoの意味くらいはわかるので最初の段階が違う。
先生がゆっくり喋ってくれれば何を言ってるかくらいはわかる。
でもさすがに他の国から来た生徒も皆英語を勉強してきているわけで、授業で置いていかれないようにする大変さは同じ。

ちょうど一ヶ月間、ようやく先生の喋るスピードには慣れてきた。家族の高速会話には食らいつくのがやっとだけど。この語学習得で出来ることが増えていく感覚は楽しい。
例えば、忘れかけているドイツ語もドイツ語圏から来た生徒と二、三言かわすだけでも少し印象が変わる。スペイン語やイタリア語のスラングも少し知ってたのでこの2つとは仲良くなりやすい。

しかし、この語学学校、長期でいるのはほとんどアジア圏でヨーロッパ圏は2週間くらいで帰ってしまうローテーション。しかも同じ学校でドカッと来るので仲間達の間に入っていくのがなかなか難しい。これが前回とは違う都会ならではの難しさ。つまり学校が修学旅行のついでに語学も習得させようっていうような感覚で来るのです。国同士が近いとそういうこともあるのですね。
とはいえ、ウィンブルドンもロンドン中心部に比べると外れの印象があるので、このアットホームな感じは良い。ちょっとセントラル(中心部)行ってみようぜみたいな。

そう、こっちの滞在理由は大きく2つ。英語と美術なので、2つ目も本腰入れていかないとマズい。ひとまず1つ目は順調と。

ちなみに写真は学校にテレビの取材が来ていて調子のいい学長とその生徒。

2012/10/20

London4


今日はロンドンの交通機関について。

一般的に良く使う交通手段は4つ。
バス、トラム、ナショナルレール(JRみたいな)、チューブ(地下鉄)。

バス、トラムはどこまで乗っても一回一律同じ料金。
電車はゾーンを跨ぐか跨がないかで料金が変わるゾーン制をとっている。


こんなかんじ。
グレーのシマシマがゾーンの区切り。真ん中の白がゾーン1でそこから順位数えていく。運賃も家賃もけっこうそれに合わせて変動するし、やっぱり1が一番高い。
また、この路線図をオシャレと考えているのか、きちんと整備しているだろという誇りなのか、路線図がお土産のグラフィックデザインとしてよく使われている。

こちらではオイスターカードというPASMOやICOCA、Suicaのようなカードを使う。
これがこの四つ全てに使えるのが超便利。逆に持っていないと運転手や駅員と直接やり取りする英語地獄。

そして定期もゾーンごとに1-3、2-4、2-3など組み合わせを決めて料金を調整することができ、その間は乗り放題。電車を買ってしまえばバスの乗り放題もついてくるので、上手く使うと相当運賃を節約できる。

また、ドイツと同じように電車に乗って無賃乗車していないかチェックする人もいるので無賃で跨げば£40以上の重いペナルティーをくらう仕組み。ただ、ロンドンは結構改札があるので無賃出来ないはずなんだけど、よく捕まっている人を見るのでやっぱり裏ルートがあるんですね。

バスは二階に乗ると景色が良くてよろしい。どうやって降りるの?って最初は思うけど慣れると一番快適なポジション。そしてナイトバスなるものがあり、24時間運行しているし、大まかな方向には全てナイトバスが用意されているので終電逃しても帰れなくなることは無い。もちろん多少危険な所もあるらしいが、今の所バスでの被害は聞いていない。

と、けっこう慣れるまでに時間がかかったけど大体掴めてきたのでロンドン移動は問題無し。困ってるのはだいたい時間通りに来ないので時間はルーズに考えておいた方が得。時間ピッタリに来ないからカリカリするとあっという間にストレス溜まるで。

2012/10/19

London3



写真は撮っているのに文章を作る暇がない、ドイツの時とは違い、都会なりの忙しさを感じていて、なかなかこうやってラップトップとにらめっこする時間が無かったわけだが、ようやく作業する時間が取れてきた。

もはや毎日の記録をつける暇がないので、テーマごとにまとめて紹介していこうと思う。

まず今日は一番最初に行った美術館テートモダンについて。

実は昨年にオランダへ来た際、ここには一度寄ったことがある。
年に一回のペースでタービンホールという大きなスペース(上の写真)で行われる企画展が行われるのだが、その時は女性の写真家のその作品を見ただけ。
今回は残念ながらまだ企画展が始まる前の合間の期間だったため、常設展を観てきた。

ところがここの常設展、かなり充実している。


ピカソ、マティス、ダリ、ウォーホル、ムンク、ジャコメッティなど有名どころがふと気がつくと置いてある感じ。

なかでも自分が嬉しかったのは、ブルースナウマンを観れたこと。



この方の作品は自分の今の表現、取り組みと近いものを感じ、どうにかして観てみたいと思っていた作家である。タービンホールで展示をしていたことは知っていたが、常設展に部屋が用意されているとは思わなかった。こういう思わぬ出会いが多いのがロンドン。


美術は全然関わりがないと言っていた友人二人と観に行ったけど一番反応していた作品。
3つの筒には穴があいていて、それを覗く列が出来ていた。
覗くと何の変哲もないものが観れるんだけど、この覗いてしまう所に意味があるのだろうか。覗いたあとに皆ニヤッとしてしまうところはしてやられた感があった。

そして、これらは全て無料で観られること。これがロンドン最大のポイント。
これだけ優れた作品を並べて、無料で出入りが出来る。写真を撮って見返すことが出来る。目の前に座り込んでメモをとることが出来る。
顧客の目が鍛えられること、これは非常に良いことだと思うし美術界には重要なことだと思う。作り手ばかりが育つなんてことがありうるのか?
少なくとも、一緒に行った二人は観る前と観たあとでこの美術館に対する興味に違いが現れていた。
もちろん、運営費は不足気味。さまざまな人の寄付で成り立っていることは忘れてはならない。

p.s.
そうそう、テートモダンでは10月10日から森山大道さんがタービンホールで展示をスタート。日本人アーティストがテートモダンで展示をしていてそのタイミングでここに来ているこの偶然に感謝。
※さらに追記 森山大道さんはタービンホールではなく通常の企画展の部屋にて有料の展示でした。誤報失礼しました。

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