2011/06/15

YUSAKU KAMEKURA #2


先日の亀倉雄策の言葉第2弾

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『私はどんどんアメリカの良い所もヨーロッパの良い所も取り入れて消化したいと思います。日本のグラフィックデザインの歴史を見ると、初期にはアール・ヌーヴォの影響を受けました。(中略)
終戦後はなんと言ってもアメリカの影響が協力でした。アメリカのグラフィックデザインの質、および、量は圧倒的です。ところが広告術では、アメリカから悪い影響も受けています。あの美人がニッコリ式の宣伝は日本中を風靡し、これが、デザインの高さを守ろうとする人達と対立しています。どこの国でもそうでしょうが、ほんのわずかな人数がデザインの高さを守るために戦っているのです。』

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ふむふむ、なんか今でも聞くような内容だな。タレント広告なんてほぼそんな感じだ。
うちの教授もたまに言ってる。生徒の何人かは時々それ聞いてなぜかイラッとしてる。
さらに亀倉氏の話は続く

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『日本を離れて、そして、自分の国の伝統というものを振り返ってみることは自分の今まで考えも及ばなかった、いろいろの問題を含んでいます。そして客観的に見つめる事ができました。
そして、いかに日本のグラフィックデザインが、むずかしいところを歩いているのかがよくわかります。
私は伝統をエキゾティシズム(異国情緒)にすり変える事には反対です。伝統とはあくまでも民族の血の中にあるものです。どうしてもでてくる体臭にも似た感覚だろうと思います。ですから表現を伝統から借りたり、頼ったりするべきではないと思います。伝統によりかかればまちがいなしに安定したものが生まれます。むしろ伝統に抵抗して初めて新しい表現は生まれます。私はヴィジュアル・デザインは全人類の共通の言葉だと思っていますし、またそうでなければならないと思っています。ですから優れたタイポグラフィック・アートは世界の人々が民族の隔たりも無く素直に認められるものでないといけないと思います。(1958年の講演にて)』
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(ggg Books別冊 亀倉雄策1915-1997より抜粋)


つまり、伝統的な表現の上っ面だけを軽々しく使うなってことかな。それをすれば見た目には良い感じかもしれないけど、日本だけにしかわからないし、中身が伝わる事は無いだろうってて言い切られているのかも。
さらに後半には「伝統芸術の中から必要なものと、いらないものを見分ける仕事が残っています」なんて言葉もある。
っていうか、今の人ってこんなに全体で考えてる人いるんだろうか?

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