2011/10/06

Holland day-4

4日目

つかの間の休憩ってことで、この日はステイ先のご家族とハーグ&デルフト観光へ。


高速道路でアムステルダムから1時間ほど。ところが、思わぬ渋滞で2時間ほどかかってしまった。
渋滞で困るのは日本と同じですね。でもオランダの高速道路には跳ね橋もあって、橋が上がっている時は赤信号で渋滞なんだとか。この日は違う理由だったけど。
ちなみに、高速道路は無料。高い税金を払っているから当然だという。
写真は高速道路で宣伝するNESCAFEカー。


デン・ハーグに到着。ここはオランダの政治の中心地。
首都アムステルダムではなくこっちに政治があることに違和感もありつつ、あのアムステルダムに政治の中心があるのもおかしいか、という納得感もあった。


最初に出迎えたのは最高裁判所。
この日も撮るのが難しいオランダの景色。


中心街ではまずマウリッツハイス美術館へ。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が置いてあることで有名な美術館だけど、自分が見てみたかったのは同じくフェルメールの作品「デルフトの眺望」。
実は最初にフェルメールに興味を持ったのはこの絵がきっかけ。この絵の陰影部分にはラピスラズリ(ウルトラマリンブルーの原料)が使われていることはフェルメール好きには有名な話。この話からフェルメール大好きになって安物のウルトラマリンを同じものだと勘違いしては自分の絵に使いまくってた。
自分の話はどうでもいいが、先日から言っているようにオランダの景色は写真が撮りづらい(ちなみに誤解の無いように、自分が撮りたい時間帯の話です)。だから、「デルフトの眺望」のように空と建物が入る場合、陰の部分の表現に気を使う必要があったのではないかと感じた。これは絵画ならではの表現だと思う。だから、この絵をwebサイトの画像で見ても、印刷されたポストカードで見ても何も感じなくて正しいと思います。



見たいものも見れて満足で今度は国会議事堂。
美術館のすぐ横に国会議事堂ってなんか変な感じ。



オランダの警察。可愛い感じだけど駐禁めちゃくちゃ厳しい。


アムステルダムでは紹介し忘れたが、オランダは自転車大国。自転車専用道は当たり前のように常にどこにでもある。左が自転車道、右は歩行者用。
自転車道を歩行者が渡ると歩行者は問答無用で怒られる。車は自転車が渡るために急停車するのは普通である。故に、車の駐禁は厳しく、自転車は大量に道に停めてある。自転車の雪崩が起きていることも多々ある。自転車専用の鞄もあるし、自転車専用のリアカーもあるし、自転車専用の傘も生まれた国では自転車相手に車がクラクションを鳴らすことはない。


少し遅めのランチは、家族オススメのオランダ料理パネクック(パンケーキ)のおいしいカフェ。パンケーキの上にリンゴ&ベーコンとかパイナップル&チーズとか変わった組み合わせがあった。


食事してるとこちらのテーブルを草陰からじっと見てた男の子。
カメラを向けると前歯が抜けたばかりの口を広げて笑顔をくれた。


カフェに隣接している公園ではオランダの軍人がテントを張って何やら物々しい雰囲気。
続々と集まってくる軍人の中には女性も混じっていた。


新しい高層ビルがいくつか建設中だった。
アムステルダムでは全く見なかったスーツ姿のサラリーマンもたくさん出歩いていた。ここも新宿や汐留みたいな景色になってしまうのかな。


ハーグを後にして一行はデルフトへ。
時間も無かったので慌ててデルフト陶器の工場見学に向かった。

オランダの仕事は17時で終わる。きっかり17時で本当に閉めてしまうのであと30分強で閉まる時間だった。


案の定、受付では「17時までよ」と強く注意を受けながら見学スタート。
マイセンと色は似てる。


絵付けの様子も見れる。
マイセンと似てる。


手で直接触れられる。
子供を連れてくる場所には必須だと思うね。触らないで下さいばかりだと飽きちゃう。


デルフトの歴史紹介ビデオルーム。
デルフト柄の枕で遊ぶ子供、ビデオを鑑賞する大人。


眠った。




工場も実際に入って見ることが出来る。
せかせかと周りきり、おきまりの商品販売コーナーへ。




デルフト陶器のアウトレットもあり、通常より安く手に入れることが出来るのが魅力。
購入できて満足してると、
「このフロアではお買い物が出来ます、おつかれさまでした。」みたいな日本語を発する音声ガイドを掲げた当館のガイドさんと大勢の日本人が入ってきた。
なるほど、さすがのオランダ人も閉館間際といえど、大勢の日本人ツアー客は入館させてこのフロアまで連れてくるのだな。という予想通りにあれやこれやとデルフト陶器を買い込む日本人達にまぎれながら工場見学終了。

ハーグのサラリーマンも17時で仕事終了らしく、帰りのアムステルダムへの道もえらい混んでいた。
面白く単純な国だな。

2011/10/05

Holland day-3

3日目

爆睡から目覚めた3人でアムステルダムに帰る前にちょっと寄り道。
出発前にGoogle mapで見つけた奇妙な地形をした場所。


こんな感じ。
名前はフィンケフェーンという場所で、湖に放射線状に地形が延びている。

で行ってみたらこんな感じ。


道・川・家・川・道・川・家・川・道
って感じでずーっと一本道。家と道を繋ぐのは橋で、家の裏口はおそらく舟からの玄関。
車と舟の両方が移動手段なのかと。

そして、かなり一本道のほぼ先端部分まで行くと行き止まり、上手くいけば別の一本道に繋がる橋がかかっていると、なかなか不便な場所だった。
途中道が工事してて、工事されると通れないし一本道なのでUターンもなかなか至難の業だった。

でも休日には観光客でも訪れるのか、カフェやお店などが集まる場所もあって休憩。
疲労と車酔いでちょっとだれてた。
なのに、クロケット頼んだら2、3個でいいのに10個も入っててさらにお腹苦しくなってた。


帰宅したら、もうアムステルダムをゆっくり回っている暇はないかもしれない!ってことですぐさまオランダの首都へ出発!


川が多くて全部同じ景色に見えるので迷う。


コーヒーショップ(大麻とかが売られてる所)と飾り窓(セクシーな姿のお姉さんが窓から手招きしてる)がカフェ並みにたくさんある。


クロケット(コロッケ)とフリス(ポテト)が大量に売られてみんな食べ歩いてる。



工事現場のフェンスが一工夫ある。



船が普通に行き交うので


跳ね橋も多いし、



船で生活している人も多い。家賃は陸と同じくらいなんだそうです。

ちなみに、オランダの街は写真を撮るのが難しい。空がきれいで明るいので、街の建物に強い陰が落ちてしまうため、どちらかを綺麗に撮ろうと思うとどちらかが飛んじゃう。だから実際に見た景色はもっと青空と雲のバランスが綺麗です。



夜は東京ほどじゃないがキラキラしてた。
美術館も名所も特に回ってないけど、コーヒショップと飾り窓の印象が特に強い怪しい都会でした。でもどっちにも入ってはいないよ!

2011/10/04

Holland day-2

2日目

というわけで、朝1時に起き、2時間かけて早朝の世界遺産キンデルダイクに到着。


広大な川と緑と風車群が見渡せるとのことだったが真っ暗な時間帯なので何も見えず。それでも、見える星も月も風車のシルエットのたたずまいも惹かれるものがあり長時間露光にて一枚。



この世界遺産の景色を見渡せる場所に固定し、20分ごとに30度ずつ回転させて360度撮影。これを24時間撮影するというのが今回の仕事。3人体制で行うも、データの数が膨大になるのと、バッテリーを常に保ち続けなければいけないので、なかなか根性のいる撮影となった。



24時間同じ場所にいると人々の生活が見えてくるもので、明け方から犬の散歩や自転車で行き来する人が増えてきた。撮影場所が橋だったこともあって、通行人は皆声をかけてくれる。他人に挨拶をしてくれる素敵な国だなというのが第一印象。オランダ人の挨拶の仕方は様々で、オランダ語やドイツ語、英語にたまにフランス語、単純にHi!やHello!など、本当に多くの言語を取り扱う国なのだと思った。
初めて足を止めて声をかけてくれたのは、黒いスマートな犬を連れたジェントルマン。彼は私たちが日本人と分かると英語で話しかけてきて、英語が聞き取りづらかったのでドイツ語で聞き返してみると流暢なドイツ語で返事を返してくれた。




夜が空けて明るくなったのは9時頃。周りがようやく見えてきて、馬や牛に白鳥や鴨など多くの動物に囲まれていたことに気がつく。
明るくなったものの、空はどんよりとした曇り空で、「福ちゃん、ちょっと雲を呼び過ぎだなー」なんて言われながら(ちょっと責任を感じてみたり)、「明日の方が良い空が出そうなら、これはもしかしたら48時間撮影になるかもなー」って恐ろしいセリフを言いながら休憩に入った二人を見届けたとき、男性が車を逆走させて近づいてきた。彼の登場から、これまであまり上手くいってなかった嫌な空気が一変する。


「あの車はお前のか?」と聞かれ、俺一人で怒られるのかとビビりながら対応すると、どうやらライトが付きっぱなしだったのを気にかけてくれたらしい。ここで24時間撮影しているということを聞いて少々驚きながら、実は俺もフリーカメラマンなんだと教えてくれ、興味津々な様子で帰っていった。たまたまポートレートを撮らせてもらったが、彼はこの後、今回の撮影のキーパーソンとなる。



この後すぐ、ステイ先の家族がキンデルダイクに訪ねてきてくれた。そのタイミングから、晴れ女が来たとばかりに空が一気に青空に変わった。撮影も良い感じだとクリエイターもご機嫌になったところで、家族を見届けた後、俺の一休み時間。
爆睡している間に急展開があった。


先ほど訪ねてきたフリーカメラマンが再度訪れ、自分のポートフォリオを持ってきたそうだ。そして、彼がtwitterで「キンデルダイクで24時間撮影している面白い奴らがいる」とつぶやいた所、テレビ局から興味があるので取材したいとの連絡があったことを教えてくれた。さらに、実は彼の家族はキンデルダイクの風車守だったことも発覚、後日父親に頼んで風車の中を紹介&撮影させてくれるという。
彼が着ていた上着にキンデルダイクと書いていたのに気がついたのはこのとき。



とりあえず、撮影は順調に変わり、徐々に日が傾き始めた所で、例のテレビ局が訪ねてきた。
こっそりと遠目から撮影を始めているカメラマンとインタビューアー。偶然目撃した俺が津島さんの仲間だと知ると「これは彼らにはシークレットね」って笑いながら静かに撮影がスタート。



どうやら総合局だったらしく、ラジオの収録まで来ていたのには驚いた。急な展開に緊張の3人。
相方のSoseiさんはイギリス在住のため通訳としてインタビューに応対。陽気な感じで撮影も無事終わり帰っていった。ちなみに放送記録がwebで見れるので実際の映像はこちらから。(私もちらっと映ってる)
オランダのテレビに出ちゃった。


そして、日が暮れて撮影も佳境。体力と睡魔に体調不良、雨も降り始めてなかなか厳しい夜へと突入。気温が前日とは異なってかなり寒くなっていたのだ。

とにかくシビアながらも貴重な体験をした24時間でした。終了後、3人車の中で爆睡。日本人が車の中で爆睡しているのを奇妙な目で見ていたのだろうな。

2011/10/03

Holland day-1

1日目

2週間弱のヨーロッパ生活を終えて帰国。
2度目のヨーロッパは観光旅行とはひと味違ったハードな日々を過ごしてきた。Wifiが無い環境だったため、更新できなかったので振り返る日記として1日ずつ振り返る。なんで、更新日は分かりやすくするためにその日の設定に変更します。



まずは初日。成田空港でいきなりの出会い。同じ飛行機に連れの知り合いのアフリカ人が同乗。ドバイまで一緒に向かうことに。不意の国際交流に上手く話せるかヒヤヒヤした。



24時間のフライトでお腹をこわしながらオランダのスキポール空港に到着。オランダにいる間お世話になるご家族と合流しアムステルダムフェーンという少しアムステルダムから離れた家に荷物を置きに。ところが、ゆっくり挨拶する暇も無く今回のメインイベントの打ち合わせに。





今回のメインイベントとは、クリエイターのTakahiro Tsushimaさんの撮影補助。実はこれがきっかけとなって今回のオランダ行きが決定したのです。というわけで津島さんの泊まっているホテルの眺めの良いカフェで打ち合わせ。数日早くオランダに乗り込んでいた津島さんの話によると、自分が来るまでは雲一つない快晴だったそうで、雲を連れてきた男として(到着した時は一週間ぶりに雲が出てきていた)早速雨男ぶりを発揮したそうだ。というわけで、天気が悪くなってしまう前に本番の撮影をすませてしまいたい、そのためには今夜から撮影を始めるしか無い!という結論に至り、到着初日から朝1時起きが決定。帰宅後、食事もままならぬまま就寝。目指すは世界遺産のキンデルダイク、行うは24時間インターバル撮影。

2011/10/02

A little trip to Holland ♪



ちょっとオランダ行ってきます。


パリとロンドンにも顔出す予定です。
二週間ぐらいの短期だけど、ヨーロッパにまた戻る機会が出来たことに感謝。

2011/10/01

Ken Okuyama #4


連投している奥山さんシリーズ、その4

また元の記事より引用。

今回はけっこう飛ばして、目が近いって話へ。

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「日本人のもうひとつの能力として、左側の想像力という力があります。ものを作るのはクリエイションの方の創造力ですけれども、この左側のイマジネーションの想像力というのは日本人が優れているからこそ、マーケティング理論が世界で一番発達して、実際にいろんなマーケットリサーチをする会社もたくさんありますし、非常に技術的に発達しています。でも、だからこそ人の気持ちは分かるけれど、自分の気持ちが一番分かっていないのが日本人です。自分が本当に何が欲しいのか、自分の会社が何を作るべきかが一番分かっていないのが典型的な日本の企業であり、日本人なんです。」

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そして、奥山さんが何が言いたいかって話につながり、

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「それからもうひとつ。いけすの中に魚がいて、ずっと泳いでいると活きが悪くなってみんなだんだん死んできて、そこにナマズを1匹入れると、変な魚が来たのでびっくりして、活きがよくなって、死ぬ魚が少なくなるんだそうです。僕はイタリアでナマズでしたし、日本でもナマズなんですけど、何が言いたいかっていうと、ものの本質というのは、実はその中にいる人間っていうのは意外と分かってない。イタリア人はイタリアのデザインの悪かった時期ばかり覚えているので、なかなかイタリアのデザインに対して、実はロマンを持てないんです。僕ら外国人は国を捨てて家族を捨てて、すばらしかった60年代、70年代のイタリアのデザインにあこがれてイタリアに渡った人間ですから、もう何が何でもイタリアにあこがれているんです。そういった人間の方が実はものごとの本質を知っていて、意外とイタリア人よりもイタリア人らしい仕事をするから、僕は外国人としてイタリアのデザイン会社のディレクターを12年間務めたわけです。

だから皆さんも、自分は会社に何年もいるからこの会社のことを一番知っている、でもこのゲームを何年も作っているから意外とあなたが一番よく知ってない。意外と他の人の方が分かってることがあるっていうことを理解して、外の人間と自分の能力をよく使い分けていただきたいなと思います。」

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この前半の「自分の気持ちが一番分かってない」のが今の自分の状態なので、嫌でしょうがない。卒制ってのはそういうのと向き合うと手が止まってしょうがないっす。

後半の「自分の〜のことは自分が一番良く分かっとる」はよく聞くセリフで、実際の所はどうなのか、そういったセリフを言う人は周りでいうとどういう人なのか、見回してみるとハッキリしてくるのかもね。これは、ビジネスの話だけではないと思うのです。

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