2010/09/23

Setouchi Art Fes


瀬戸内国際芸術祭に行ってきた。

アートイベントってなんか抵抗があって、今まであまり行ってはいなかったんだけど、
直島、犬島を中心として瀬戸内の島々に活気が出てきた今、芸術祭でさらに観光地化したこの辺はどうなっているのか実際に目で見てみたいと思った。

が、事前に調べて、島間のアクセスも悪く、混雑がすごいため、直島、豊島、男木島の三つに絞って行った。


直島には一泊して初日と二日目を半日ずつ使って観た。
まず感想から言うと、どんな作品よりも直島から見える夕方の日没時間の景色がハンパなく綺麗だった。ハンパなく。
ここにはベネッセハウスミュージアム、李禹煥美術館、地中美術館という主要な美術館があるが、今回は李禹煥美術館を除く二つを観た。

●ベッネッセハウスミュージアムには初日の夜に行った。
もう船も出ていない時間だったので人も少なく、静かな雰囲気で観れた。
展示されている作品はさすがに良かった。
個人的にはジェニファー・バートレットの「黄色と黒のボート」と
アンディ・ウォーホルの「フラワーズ」。

前者は初めて知った人だったけど、アンディ・ウォーホルはなんでかっこ良く見えるんだろうなーって思いながら観てた。

●それに対して、地中美術館。
こちらは朝一で動いたにもかかわらず整理券待ち。朝にしてはすごい人だった。
作品鑑賞にもいちいち並ぶ。東京の美術館かよって思った。
展示されているモネの絵もウォルター・デ・マリアの作品もすごく良かったし安藤忠雄の建築も面白かった。でもなんかすごくイライラした。

実は藝大の古美術研修旅行で京都に行った時、友人が安藤忠雄の建築が見たいというので一緒について行ったことがある。その時に見たのは「京都府立陶板名画の庭」。
絵画というよりも壁画くらいデカイ絵が飾られてたり、水が滝のように流れていたりするのだけど、その絵や水達が一番良いポジションで見られるように計算されているのは素直に感動した覚えがある。
しかし、人気がないのか、あまり知られていないのか、かつては盛況だったのかは知らないが、客は自分たちと1人か2人くらいしかいなかったと思う。

地中美術館で感じたイライラはその真反対だったからかもしれない。
人が多過ぎるために並んだり、時間を規制されていたり、丁寧に案内が出ていることで魅力が崩れてしまった印象を受けた。
安藤建築の全てを知っている訳ではないのでわからないが、少なくともこの地中美術館は京都府立陶板名画の庭のように、フッと入った時に受ける感動が大きいものだと思う。きっとそのほうがたくさんの「気遣い」に気づける。

並ぶだけ並んで、そのうち同じ景色に飽きてきて別の話で盛り上がって、作品見たら「こんなもんか、次」って言う風になっちゃう。
こういう所はイベントとは別の日に訪れたいと思った。

はい、重い話はこんなとこ。あとは気になった作品をいくつか。


これは、島民の人達みんなを集めてワークショップ形式で作って行ったものらしい。作り方は単純で、紙を丸めていって、それをどんどん重ねて最後に真ん中を切るだけ。簡単だと島の人もとっつきやすいなぁと思った。


さりげないけど一番島の雰囲気に合ってると思った。もっとさりげなくても良い気がするけど。



オンバファクトリー。
乳母をデザインして島の人に提供してるみたい。島のおばあちゃんとかが実際に使ってる所
みてほっこりした。


大竹伸朗がリニューアルした銭湯。
なんか大竹伸郎ならもうちょいやるかと思った。控えめに感じた。


急に震えだして音がする仕組みになってる作品。回転させる装置を使うだけでこんな面白いのができるのかって感動した作品。


これ全部団扇の骨組みでできてる。団扇で家中を覆った作品。発想は単純でもすごい綺麗だった。


機械仕掛けの作品。これだけだったらよくありそうだけど、位置が景色をバックにかっこ良く見える所に設置してあるのがツボだった。


大岩オスカールの作品。全部マジックインキで描いてある。で両壁が合わせ鏡になっているんだけど、鏡の面を5mmほど外側に傾けているので、建物が円柱にずっと続いているモノに見えてしまうんだって。
大岩オスカールの作品は現代美術館以来だったけど意外だったな。


全然島の住宅と合ってないんだけど、空とは相性が良い作品。これ単体で見ればすごい綺麗だけど本当に島に合ってるのかなぁって考えた。


島キッチン。豊島の住宅の中にあるカフェレストランで、すごくいい感じのするところ。島の人達の交流の場になれば良いと思う。
ちょっとこの前会社でも話が出たけど、一番人が交流しやすいのって食事の場なんだってね。


ここもカフェレストラン。家の中をヨーロッパのデザイナーがこんな風に変えちゃった。
面白かったけど、これはあんまり続かないんじゃないかって思った。


これも大竹伸朗の作品。いろんなものを寄せ集めたような作品。
寄せ集めただけにみえるけど。かわいいって言う人がいたから良いんじゃないでしょうか。


総じて楽しく過ごせました。でも移動大変だから慌ただしくなる。
これから行く人は整理券だけは注意です。

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