2011/09/28

Ken Okuyama #1



カーデザイナーの奥山清行さんが呼ばれた講演会のレポートがインパクトあったのでメモ。
この記者の方も書いているけど、考えている事をとにかく叩き込むように話しているのでその疾走感が伝わってくる、大分濃い講演会だったみたい。

なので、気になった言葉を引用して取り上げては分割メモ。とりあえず1。

------------------------------------------------------------------------------------------------------

『その中で日本とイタリアを比較して、面白いことに気がつきました。皆さんこれを読まれて、個人力の日本、団体力のイタリアというタイトルを見ると、「逆じゃないの?」「個人力のイタリアで団体力の日本じゃないの?」と思うかもしれませんけれど、イタリアというのは実は全く逆でして、イタリアというのは実はご存じのようにワールドカップとか、それからいろんな、例えばフェラーリのようなブランド企業をゼロから作り上げたりとか、その陰にある力というのは実はローマ時代から伝わる、いわゆる民主主義の元を作った彼らの団体力なのです。イタリア人の個人個人も非常に個性のある人たちが多いですけれども、その何というか、味が強い野菜が集まってもっと面白い料理ができるように、イタリアは非常にその団体で行動をするというのが僕が想像していたよりもはるかに得意でした。…

(中略)

日本に帰ってきまして、去年から今年にかけて、これは六本木ヒルズのアカデミーヒルズというところで「日本元気塾」という社会人向けの塾の塾長をやりました。…(中略)
日本はどこに行くべきか自分の将来はどこに行くのかという議論を毎回続けました。非常に面白かったのはその中で、日本人ほど哲学とか倫理観とか教育レベルとかそういったことの個人の力が高い国というのは、僕は今まで経験したことがなかったのです。ところが、そういう人たちを5人以上集めると、幼稚園みたいなもんでまるでまとまらない。イタリアの方がよっぽどまとまる、アメリカの方がよっぽどまとまるという現実に気がつきまして、ひょっとして日本って団体力ないんじゃないの?っていうことになり、僕の今までの仮説が逆転しました。

皆さん何となく思い当たる節があるんじゃないかと。飲み屋に行くとすごいこと言うんです。仕事終わるとすごいこと言うんです。仕事の最中は黙って何も言わないですね。黙って何も言わないくせに何も考えてないかっていうと、当てると皆さんすばらしいこと言うんです。僕はそれは卑怯だと思いまして、自分が考えていることを、その場で決められた時間の中で他の人とシェアしないのはプロとして犯罪に近いと考えています。イタリアでそれをやると二度と会議に呼ばれません。ところが日本はそれをやって、黙っている方が会議に呼ばれるという、これは悪しき慣習だと思います。面白いのは日本の議論の仕方っていうのが、何かと個人攻撃になってしまうこと。これは日本の言葉の作りっていうものがどうしても目上とか目下とか、男性とか女性とか、自分の相手に対する相対的な位置を示す感情を表す言葉があるのに対して、英語とかイタリア語っていうのは非常に少ない言葉で情報の内容を的確に相手に伝える言語の作りなんです。だから、誰が何を言うかってことは重要なじゃなくて、その話の内容の方が重要だって順序になってる。だから日本語で、実は個人攻撃にならない議論の仕方というのは非常に高度な議論力が要るというふうに思います。僕はこれを小学校で教えられなかったので、社会人になって必死の思いでイタリアで勉強しました、議論の仕方というのを。この「議論の仕方」をひとつの技術として、僕らは学ばなくちゃいけないんだなってつくづく思いました。』

------------------------------------------------------------------------------------------------------

と、日本が実は個人レベル高くて団結力が無かったって話。
この最後の方の黙ってるくせに良い事言えるって話はスゴく良くわかる。これは言わないんじゃなくて言えないのかと思う。それが議論力が足りないってところは納得。話合いがスイスイいく時って、話の運ばせ方が上手い人、特に聞き上手な人がいる時が多いと思う。
偉い人が一方的に自分の思いの丈を話して、さあお前の意見を聞かせてみろって言われても「そんな急に振られても」って顔して困ってる人達をよく見ます。これは、自分の意見が言えない下の人が悪いのではなくて、上手く議論が出来る環境を作れない人が悪いんだと思う訳です。その上でこの目上と目下って関係は非常に邪魔かと。

今、大手の会社が共通語を英語にしようって動きがある。そんなことして何の得があるのだろうって思っていたけど、もしもそれで上下関係の壁がなくなるのだとしたら良い事だと思う。もしも英語力って必要でしょう?って浅い考えだけで導入したのだとしたら何も変わらないと思う。


実は上記の引用で中略したところではフェラーリの売り方と日本の車の売り方を比較した例を出していて、それがまた面白い。

とにかくこんな感じでボリュームあり過ぎなので分割します。

No comments:

Post a Comment

my favorite magazine gallery